テキサスホールデムで結果を出すためには、確率論は欠かせません。
しかし確率というと、いわゆる数学を意識してしまい、抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、実践的で簡単にできる確率を使った期待値と、加えて自分のハンドを超えた勝率の上げ方を、できるだけ噛み砕いて紹介していきたいと思います。
覚えるべき法則はただ一つ
ポーカーで確率を使用するにあたって覚えるべき法則は、以下のものだけで問題ありません。
2・4の法則
→一回のみ引ける場合、(アウツの枚数×2)%:※フロップのみ、ターンのみで使用
→二回引ける場合、(アウツの枚数×4)%:※ターン+リバーで使用
これを自分の勝率として計算する
※補足ですが、上記の二回引ける場合の計算方法ですが、主にオールインの時に使用します。例題で詳しく説明します。
この法則をポーカーテーブル上で使用し、もっと詳しい勝率など分析がしたいのであれば、PCやスマートフォンでソフトを使用しましょう。
2・4の法則によって算出できた勝率が、ポットオッズ(ベットの金額より算出)より高いか低いかで、そのアクションの期待値がプラスかマイナスかを判断する事ができます。
もし期待値がプラス(例え少しであっても)と算出できれば、オールイン勝負となったとしても悠々と受ける事ができます。
例題

・10ドルのポッドに相手が5ドルベットしてきた。アウツ9枚(例:フラッシュドロー)の場合、コールが正解?
ポッドが15ドルあり、自分が5ドルでコールすることは、ポッドオッズは15:5=3:1であり、必要勝率は1÷4=0.25=25%となります。
先ほどの2・4の法則で算出できる自分の勝率より、必要勝率が低ければコールが正解となります。
もしアウツが9枚の場合は、自分の勝率は2・4の法則から
- ターンのみ、もしくはリバーのみだと18%
となります。
つまり、
フロップのみ、ターンのみでベットされた場合のコールは、自分の勝率が18%と必要勝率の25%を下回っているため期待値がマイナス
となります。
逆に言うと上記の例題では13アウツ以上ないと、通常のアプローチで算出できる期待値的にはコールができないという事になります。
注:2・4の法則のターンとリバーの二回引ける確率(4の方)については、主にオールインでのみ使用します。
前述の例で説明すると、10ドルポッドで相手5ドルベット(ターン)→自分コール→20ドルポッドで相手10ドルベット(リバー)→自分コールは、2・4の法則でアウツ9枚の2チャンスなので、自分の勝率が36%になるんじゃないか、と考えがちです。
しかし、あくまでターンとリバーでベットを二回打たれる場合は、各ベッティングラウンドで2・4の法則の「2の方」を一回一回使用して計算するため、結果的に相手からハーフベットを二回打たれても期待値がマイナスとなります(ターン、リバーで両方マイナス)。
ハンドを超えたアクション
ポーカーで期待値をプラスする方法として、ブラフを使用します。
ブラフは相手がどのような特性を持っていて、適正なアクションができないと成功しません。
先程の例題で、相手に10ドルポッドに対して5ドル打たれた場合は、勝率が25%必要なため、フラッシュドローのようなアウツが9枚のハンドでコールする事は、ターン・リバーとも期待値がマイナスというお話をしました。
しかしレイズをされると、2回に1回降りるような相手であった場合はどうでしょうか。
相手のベットに対してレイズすることは、強いハンドであるという事を主張しているので、相手は強いハンドやブラフをキャッチするようなハンドでない時は、通常フォールドを選択します。
先ほどアウツが9枚の場合は、一回引けるチャンスがある場合は18%と申し上げました。
レイズというアクションに対して2回に1回降りる相手なので、勝率は50%です。
つまりこのアクションを行うと、
(18+50)÷2=34%
となり、先述のポッドオッズで計算した必要勝率の25%を上回ることになり、期待値がプラスとなります。

もちろん、相手がレイズに2回に1回降りると定義するのは、神のみぞ知る困難な話です。
しかしながら、
- 「レイズに降りやすそうな相手だから、フラドロとストドロはブラフを混ぜて期待値をプラスにしてみよう」
- 「もしかして相手は、こちらのレイズにナッツでしかリレイズしか返ってこないのかな。それじゃあ、加えてノーヒットの3割くらいブラフを混ぜてみよう」
とよく相手を観察しながら、テーブル上で色々な仮定を立て、ウィークポイントを攻めていく事が、ハンドの強さを超えて、そのゲームでの期待値を高める方法です。
レイズの額に関しては、自分の周りに与えているイメージや、相手のプレイスタイルによって変わってきまして、強いともブラフとも取れる額を狙って打つのが通常です。
もし迷いましたら、相手のベット額にもよりますが大体ベット額の4倍ほどレイズすれば問題ありません。
もし、ゲーム全体の期待値や確率をもっと詳しく勉強したいのであれば、以下の書籍を参考にすると良いです。
二冊目の「確率の考え方 ポーカーの数学的側面」は、リミットホールデムについての書籍ですが、ノーリミットホールデムについても考慮しながら書かれているので問題なく読めます。
まとめ
今回の記事をまとめますと、以下の通りとなります。
- 自分の勝率を計算するためには、2・4の法則を使用する
- 必要な勝率を計算するためには、ポットに対する相手のベット金額のポッドオッズより算出する
- ハンドを超えて勝率を高めるために、適正なブラフを行う
ぜひ実践してみまして、テーブルのチップリーダーになってくださいね。(`・ω・´)ゞ