「健康が一番」「病気を患うと健康の素晴らしさを知る」など健康にまつわる色々な話を聞いたことがあるかもしれません。健康であることは、様々な見方があると思いますが、今回は「お金」という指標で見てみたいと思います。そうしますと、健康の価値というものが試算できますので、素晴らしさを少しでも実感して頂けるかと思います。
また、その後に睡眠と病気の関連性について紹介していき、睡眠の改善する方法を少しだけお伝えしたいと思います。
健康で過ごすことの意味
例えば、100歳まで生きられたとしても、何か病気にかかって寝たきりになってしまいますと、あまり考えたくないかもしれませんが、周りの家族や友人に迷惑をかけてしまいます。正直な所、健康であっても何か名声を得られたり、報酬を得られるというものではありませんが、健康の知識を蓄えて、日常生活で何も病気なく健康で過ごしているというのは、実はとても素晴らしい事なのです。
また「健康である」という状態は、別の視点から見ると治療費分が浮いていると考える事ができます。あるデータですが、50歳で脳梗塞を発症し、入退院を繰り返しながら80歳まで介護を必要と過程した場合、総額なんと約1億円が必要という試算があります。1億円って、全然想像できない金額ですよね。
もし、日常的に健康に過ごしている場合は、この治療費がゼロに近くなるという計算になります。何か大病をしなかったとしても、生涯治療費は平均で約2500万円と言われていますので、健康に気を遣うだけでもかなりの節約になる事がわかります。
病院の薬に頼らない事がベスト

糖尿病になったり、高血圧症になってしまい、定期的に薬を飲まないといけない場合、その薬によって一時的に症状を抑える事ができます。しかし、薬は生体内のある活性を抑制したり活発化させるものですので、何かしらの身体に不調が出る事があります。
例えば、花粉症の薬を飲むと眠くなるという程度の作用で済みますが、大病になりますと、体内で重要な活性を薬によって操作する→副作用も尋常ではないものになる、といった事が起こってしまいます。
また、薬によって起こってしまった副作用を抑えるために他の薬も飲んで抑える→また副作用が起こる、といった事例も結構あるようでして、そのような事態に陥ってしまうと身体がどんどん弱っていくだけでなく、治療費がどんどん重なっていきます。
そのため、食事や生活習慣よって体内の活性を正常に戻し、病気を根絶するように免疫力を鍛えたり、他の病気にかからないように防御できる身体にすることは、非常に大事です。具体的には、ちょっと太っていたら標準体重まで少しづつ落としていく、お酒を飲みすぎているのであれば、少し肝臓をいたわってあげるような習慣をつけるなどです。
睡眠を疎かにする恐ろしさ
健康といっても本当に一言で表せないほど、様々な要因があります。例えば、食事、運動、睡眠、仕事のような外的環境などです。
その中でも睡眠改善は、誰でもすぐに取り掛かれる健康法です。睡眠は健康的な生活を送るためには欠かせないものでして、不眠症になりますと、糖尿病になるリスクが約1.5倍増えると言われていまして、心筋梗塞、がんになる確率も高くなると言われています。また、うつ病患者には不眠症が多いと言われていますので、不眠の改善はとても重要です。
そして不眠ですと、将来的にアルツハイマー認知症にかかる可能性が上がってしまいます。アミロイドβという物質が脳内に存在し、これが神経細胞を破壊するためアルツハイマー認知症を引き起こすと言われています。このアミロイドβは不眠になると蓄積していくという報告がありまして、アルツハイマーのリスクを高めると言われています。
睡眠を改善するためには

それでは、睡眠を改善するためには、どのような事を行っていけば良いのでしょうか。朝に日の光を浴びる事は、体内時計をしっかり働かせるために重要という話は耳に挟んだことがあると思います。実はその通りでして、快適な睡眠を摂るためにも、朝起きたら日の光を浴びる事はとても重要なのです。
ある研究結果で、私たち体内には時間遺伝子と呼ばれる遺伝子が、体内活動をつかさどっています。私たちの生活は1日=24時間ですが、この時間遺伝子は、24時間+α(1時間とも数十分ともいわれています)で体内をコントロールしています。日の光を浴びると体内時計をリセットされるのですが、日の光を浴びないと体内時計が狂ってしまいます。体内時計が狂うと、自律神経に影響を及ぼし、良い睡眠が摂れないのです。
また、朝にちゃんと日の光を浴びると、身体の作用によって、夜中にしっかりメラトニンと呼ばれるホルモンが分泌され、良い睡眠が摂れるようになります。ご存知の方は読み飛ばして頂いても良いですが、メラトニンは以下のようなホルモンの事です。
メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンです。
網膜から入った外界の光刺激は、体内時計(生物時計・視交叉上核)を経て松果体に達します。明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中にはメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じます。
ただし昼夜の区別のない環境(窓のない密室内など)でも、体内時計からの神経出力によって昼高夜低の日内変動は続きます。逆に強い照明(1000ルクス、コンビニの店内など)を浴びれば、夜間であってもメラトニン分泌量は低下します。すなわちメラトニンは体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
またメラトニンは、ビタミンよりも抗酸化作用が高い事が報告されていまして、免疫力向上やアンチエイジングに効果を発揮してくれます。
何時間眠れば良いか
世間一般的な情報では、睡眠時間は7~8時間が良いと言われています。しかし、睡眠時間の詳細なメカニズムは生活環境や知的活動をしているかどうかなどで変わってくるため、人によって適切な睡眠時間は違うという報告もあります。そのため、実は5時間眠れば頭がスッキリする人がいたり、8時間以上寝ないと寝不足になってしまう人もいるそうです。
なかなかいないと思いますが、本来5時間の睡眠で問題ない人が8時間寝てしまうと、「寝すぎ」という事になります。実は適正な睡眠時間でない寝すぎも、死亡率を上げるという事も報告されています。
そして、年を取っていくにつれて、睡眠時間が短くなっていく傾向があるため、誰でも7~8時間眠ればOK、という訳ではありません。
自分の適性な睡眠時間は、以下のチェックリストで確認することができます。
- 朝起きたら寝不足を感じている
- なかなか寝付くことができない
- いびきをかいていると言われた
- 日中、かなりの眠気に襲われる
- 物忘れが多い
もし2個以上当てはまるようでしたら、睡眠改善をした方が良いかもしれませんよ。