営業で大事なスキルとは、一体どのようなものでしょうか。結論から言いますと、「スキル」という言葉を「技術的なもの」として捉えるのであれば、申し訳ないのですが、そんなものは存在しないです。
「お客様に会う時にある行動をすると売れる」「あるフレーズを会話中に使うと売れる」というものだと思われがちですが、この記事でお伝えしたいのはそういった事ではなく、もっと根本にある精神的なことです。
例えば営業に関する本を読み、「ある行動をしなきゃ」と本で読んだ行動を実践すると、お客様は不自然に感じ取ってしまうものです。もちろんそういった行動はダメでして、それであれば、貴方らしい営業をした方が売り上げが伸びます。
私は、約10年間ほど営業職を勤めている営業マンです。10年も勤めますと、様々な経験をしてきまして、営業の本質的なものが見えてきました。
それでは記事に入っていきたいと思います。
営業に必要なスキル
それは以下のスキル一つのみです。これだけ守れば大丈夫です。
お客様の手助けをするという精神と態度
営業で一番大事なスキルです。お客様に会って話している時、電話やメールの応対など営業活動をする時全てに当てはまります。人によっては「空気感」であったり、「居心地の良さ」と言ったりしますね。
営業職を始めて間もない頃、思うように売り上げが伸びない原因はここが欠けている事が多いです。できる営業マンはこの精神が完璧でして、特にこちらから売り込みをしなくても「この人から製品を買いたい」と逆に依頼を受けることができます。
ちょっと熱血っぽくなってしまいますが、「お客様に尽くす」という気持ちが行動に繋がり、お客様にその精神が伝わり、感動して売り上げが伸びます。
私はこの精神を学ぶのに実は3年ほどかかりました。長すぎ…と思うかもしれませんが、それだけ私が生まれてから大学生までの間、誰かに尽くすといった精神をあまり持ったことがなかった為、時間が掛かったのだと思います。
しかしながら、学ぶことができれば一生ものの財産になります。営業経験が長い人ほど、この精神の意味がわかっています。
その他のスキルについて

また、営業に必須なスキルは上の一つのみですが、以下は場合によってはあっても無くても大丈夫なスキルです。
製品の知識
もし、ある製品を紹介する必要がある場合は、もちろんその製品の知識を知っている必要があります。ただ、この知識はもし他に詳しい人がいて、お客様の所に同行できる場合は、特に必死で学ぶ必要はないと思います(製品の代理店である場合が当てはまります)。
しかしながら製品の知識をもって、やたらと製品を紹介し、お客様に押し付ける営業は問題があります。「お客様が欲しい、もしくは必要なものを正しく紹介する」ことであり、その製品を買う時に不明な点や、欲しい情報を提供することこそ営業の本質です。もしその場でわからなければ、持ち帰って社内外で詳しい人に聞いたり、調べれば全然OKです。
お客様に製品を購入してもらったのに、使ってみたら全然使えなかった、というのは絶対にあってはならない事です。
コミュニケーションスキル
しかしながら、この辺りはあれば良いという程度で、例え人見知りであっても問題なく営業はできますので、安心して下さい。話す事が得意で自分では対人スキルがあると思っていても、「しゃべりすぎて相手の時間を無駄に奪う」となってしまってはダメです。
人見知りでも営業ができるという事について知りたいのであれば、以下の記事で詳しく紹介しています。実は私は人見知りだった過去がありましたが、関係なしに営業ができています。

以上、製品の知識とコミュニケーションスキルを二つ紹介しましたが、この二つは本質的ではないことだけ覚えておいて下さい。やはり一番大事なのは「お客様の手助けをするという精神と態度」です。営業は小手先のみでは通用しませんので、注意しましょう。
人が嫌がる事をしてはいけない
営業は前述しましたが、人とコミュニケーションをとる仕事で、お客様との信頼関係によって商売が成立しています。
裏を返しますと、お客様に嫌われてしまっては、売り上げを伸ばす事はできません。よく会社で、「アポイントを週○○件取る」という目標を立てられたりします。しかしながら目先のアポイント数ばかりに気を取られ、お客様に無理にアポイントを取ろうとしますと、普通嫌がられます。
何かの製品情報を渡すにしろ、まずお客様にマッチしそうなもののみを、厳選して渡すことが大事です。そしてマッチしないようであれば、すぐに謝り、粘らずサクっと引き上げた方がお客様のためです。
お客様に限らず、ヒトは必要な物の情報は欲しいですが、不必要な物の情報はいらないですよね。そしてヒトは何かを断るとき、エネルギーを消費します。お客様に無駄なエネルギーを消費させないためにも、スパっと引き上げましょう。