実は、糖質制限を行った方の約3割の方は、倦怠感等、体調が悪くなってしまい、挫折してしまうことがあるそうです。後述させて頂きますが、その体調不良は糖質代謝から脂質代謝に変わっていく過程の、栄養不足が原因のことが多いようです。今回はその原因例と改善について紹介していきたいと思います。
糖質を我慢できなかった方は
この記事のテーマは、糖質制限をした時に体調不良に見舞われ、挫折せざるを得なかった方向けの記事となっています。もし、糖質制限をしてみたら、やはりご飯やパン、甘い物が大好きで糖質を我慢をできなかった方は、以下の記事を参考にしてみて下さい。

糖質制限を始めて体調不良が起こった場合
まず最初に申し上げたいのが、もし何かしらの持病をお持ちである方は、そもそも糖質制限を行って良いか、かかりつけの医者に確認する必要があります。また現在糖尿病を患っている方で、インスリン注射をされている方は、糖質制限をしてしまうと低血糖になる可能性があるそうですので、やはり医者に確認しましょう。
糖質制限を始めてみて何かしらの体調不良が起こった場合、そこで糖質制限をやめてしまう人が多いかもしれませんが、それは少しもったいないです。
しかし、なぜ体調不良になっているのか、原因がわかっていない状態だと続けることは難しいですよね。糖質制限を始めて体調不良が起こった場合は、一旦糖質制限を軽く緩めてみて、原因を特定するのも良い方法です。その上で体内でどういった事が起こっているのか、探ってみましょう。
もしかすると、良い形で糖質代謝から脂質代謝に切り替わっていまして、その際に必要な栄養素が不足している影響で、体調不良になっている可能性がありますよ。
糖質制限を始めたら倦怠感が起こった
実は、もしかすると鉄分不足かもしれません。糖質制限を始めますと、糖質代謝から脂質代謝に切り替わるのですが、鉄分が不足していますと、以下の原理でエネルギー不足になる可能性があります。
体内で糖質によってエネルギーを作れないと、エネルギー製造工場であるミトコンドリアが脂質を代謝
→脂質を代謝するためには、鉄分が必要となるため普段、鉄分が不足している人は、とりわけ鉄欠乏症の症状が出る
鉄欠乏症になりますと、頭痛やめまい、動悸、息切れ、肌荒れなどの症状がでまして、加えて脳細胞にも影響し、イライラしたり、鬱のような症状など、精神的に不安定な症状が出ます。特に女性は、鉄が不足しやすい状態になりますので特に注意が必要ですが、男性も不足することもあります。
鉄分が多く含まれている食事は、レバーやハツ、春菊や小松菜などですが、鉄分は動物性の方が吸収率が高いので、できれば植物性ではなく、動物性のものを摂るとベストです。
普段の食事を振り返りまして、もし鉄分が不足していると感じましたら、安いサプリメントでも結構ですので摂取されることをおススメします。特にレバーが嫌いな人が結構多いので、そういった場合はサプリメントで鉄分不足を補った方が良いです。私も糖質制限している時、ちょっと倦怠感が出ましたが、鉄分のサプリを飲むようにしました所、体調不良が治りました。
おススメの鉄分のサプリは、以下のDHCのヘム鉄のサプリです。ヘム鉄は動物性食品に含まれている鉄分の事でして、タンパク質がくっついているため、通常の鉄分と比べて吸収率が約5倍も違います。鉄+ビタミンなどのサプリもありますが、鉄分に限って摂取したいのであれば、ヘム鉄のものを選びましょう。
タンパク質が不足している

糖質制限を行っていますと、糖新生という体内から糖を作り出す動きが活発になります。その糖を作り出す元となる成分は、実はタンパク質の構成成分であるアミノ酸なのです。そのため、糖質制限を行っている時は、いつも以上にタンパク質を摂取しないとタンパク質不足となってしまいます。
また現代人のほとんどが、通常糖質中心の食事を摂っていると思いますが、糖質中心の食事から糖質を減らすとなると、なかなか何を食べて良いかわからなくなるかもしれません。その答えとして、タンパク質を今以上に摂取するのが正解と言われています。体内でタンパク質が不足してしまいますと、脳の栄養不足が起こりまして、鉄分不足と同様に、イライラしたり鬱っぽくなったりするなど、精神的に不安定な症状が起こります。
糖質制限の時は、具体的にどのような食事にすれば良いかと言いますと、肉や魚を食べられるだけ、卵を毎日三個、チーズやヨーグルトも合わせて食べる、といった食事が良いというお医者さんもいらっしゃいます。それでも足りないと感じるようでしたら、プロテインを摂るようにします。
ここで、卵はプロテインスコア100の観点から、優秀なタンパク質補給食品なので、積極的に食べて欲しい食品ではあるのですが、コレステロールが気になると思います。2015年にアメリカが食品から摂取するコレステロールは、体内コレステロールと関連性がないとしていますので、卵を一日何個食べても問題がないという報告があります。しかしながら、少し(約10ほど)は食品で摂取されるコレステロールも、体内コレステロールに影響するという報告もありますので、悪玉コレステロール値が高いという方は、やはり医者に確認した方が良いかもしれません。
しっかり糖質制限をする場合は糖質制限外来に行く
しかしながら、糖質制限で体調不良になられる方は、年齢や食生活、普段の飲酒量、日常の運動量など様々な要因で、対処法が変わってきます。その中でも鉄分不足やタンパク質不足が原因として多いようでして、鉄分のサプリメントを飲んだり、タンパク質を多く摂取するだけで確認できますので、一例として挙げさせて頂きました。
もし、それでも症状が改善しないようであれば、最近ではクリニック等で「糖質制限外来」というものもあるそうですので、そちらで相談してみると、体質に合った助言を受けることができますよ。